観光客が増えすぎた京都、混雑対策こつこつ イメージダウンの危惧も

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日比野容子
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 観光客が増え過ぎて、住民生活に負の影響が出る「オーバーツーリズム観光公害)」。紅葉の見頃が近づいた京都市でも官民挙げて様々な取り組みを進める。だが、観光振興と市民生活の両立は容易ではなく、抜本的な対策を求める声が上がっている。

「うわさに聞いていた以上」

 「収容能力を超えたため、一時受付業務を見合わせていただきます」。今月12日、JR京都駅前の手荷物預かり所には、こんな看板が掲げられていた。千葉市から訪れた会社員の女性(30)は「うわさに聞いていた以上の混雑ですね」と驚いた様子。観光する前に、手荷物を置きに宿に向かうことにしたという。

 京都市のオーバーツーリズムの象徴が、市バスの混雑だ。大型荷物を持った観光客で常に混み合い、地域住民が利用できない事態になっている。特に京都駅から清水寺のある東山方面に向かうバスは混み、行楽シーズンには2~3台見送らないと乗れないことも少なくない。

遠く離れた東京駅で「地下鉄がおすすめ!」

 そこで、京都市が力を入れるのが、市バスから地下鉄への乗客シフト。それも、京都に到着する前の観光客に向けて周知する作戦だ。旅の予定は出発前に練ることが多いため、先んじて手を打とうという狙いがある。

 JR東京駅八重洲口にデジタ…

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この記事を書いた人
日比野容子
京都総局
専門・関心分野
オーバーツーリズム、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州事情など
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    佐倉統
    (実践女子大学教授=科学技術社会論)
    2023年11月23日14時30分 投稿
    【視点】

    過剰観光(オーバーツーリズム)の問題は、コツコツと対策するだけでは間に合わないのではないか。観光客数に上限を設けるなどの抜本的対応が必要だと思う。京都に限らず世界中の観光地で同じ問題が起こっていが、比較的うまく対応できているところはゾーニン

    …続きを読む