京都の混雑は枕草子の時代から 汚名返上へ「ずらし旅」の朝観光PR

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日比野容子
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 夏休みシーズンが到来し、京都は国内外からの観光客でにぎわっている。ただ、京都観光の残念度として上位に挙がるのが「混雑」だ。それならば、混雑する時間帯や場所を避ける「ずらし旅」はどうだろう――。京都市は早朝から楽しめるグルメや名所を紹介するなど、朝観光の魅力発信に本腰を入れ始めた。

 午前8時、京都市北区にある大徳寺塔頭(たっちゅう)の大慈院。本堂では男女7人が座禅を組んでいた。梅雨の空から時折差し込む光。静けさの中に、ヒヨドリのさえずりが響く。本堂に寝っ転がり、戸田惺山住職が考案した「ゆる体操」にも取り組む。9時になると、境内にある精進料理店「泉仙(いづせん)」でお膳の朝食だ。

 早朝座禅会は、お寺と市や市観光協会がタイアップして開いている。戸田住職は「禅とは静かな心に到達すること。仕事や家事で忙しい人こそ、体と心を解きほぐしてほしい」と話す。

 大阪府内の会社員橋口莉奈さん(30)は「時間も空間も独り占めできて、最高の贅沢(ぜいたく)が味わえる」と満足げだ。混雑とは無縁な朝観光の魅力にとりつかれ、午前6時に開門する清水寺なども訪れた。「朝観光では朝食場所にいつも困っていた。朝食つき座禅はありがたい。朝の選択肢がもっと増えるとうれしい」

 3泊4日で京都を観光中に参加した30代姉妹は、カナダ在住の日本人だ。「朝に観光できる場所があると、限られた時間を有効活用できる」と口をそろえた。

観光客が多すぎて……市民から不満も

 朝から利用できるスポットに…

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この記事を書いた人
日比野容子
京都総局
専門・関心分野
オーバーツーリズム、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州事情など