金の鏡優翔、遺骨とコインに見守られ 難病だったジジへ「やったぞ」

有料記事

藤田絢子
[PR]

 共働きの両親に代わって、保育園の迎えはいつも「ジジ」が来てくれた。

 レスリング女子76キロ級の鏡優翔(ゆうか)(22)=サントリー=と、ジジこと祖父の政博さんは、当時流行していた漫談家の物まねをしては、笑いながら帰り道を歩いた。

 山菜とりや山登りにも出かけた。

 「ジジと一緒だと、めっちゃ楽しかった」

 政博さんに難病が見つかったのは約10年前。運動機能に障害が出るパーキンソン病だった。

 それでも、山形からレスリングの全日本選手権が開かれる東京に駆けつけてくれた。「私の試合を見ると、いつもより元気に歩けるようになっていた。ジジの励みになるなら頑張ろうって思えた」

 いつも味方でいてくれた。

 東京五輪出場を逃した時には、「優ちゃんなら、次のパリは大丈夫だよ」と声をかけてくれた。祖母がつくった好物の煮物や名産のサクランボを送ってくれ、電話やLINEで励ましのメッセージをくれた。

 病気が進むにつれ、LINEで文字が入力できなくなった。

 字を書くことで、少しでも筋…

この記事は有料記事です。残り612文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
藤田絢子
スポーツ部
専門・関心分野
レスリング、スポーツと社会