伊藤美誠「頭で勝つ限界」打ち破った1年 平野美宇と中国から刺激

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吉永岳央
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 つまずいて、強くなった。卓球女子シングルス3位決定戦で日本勢初の銅メダルを獲得した伊藤美誠(みま)(20)には「あの長く苦しい1年がなければ、今の私はいない」と語る日々がある。

 2016年リオデジャネイロ五輪の団体で銅メダルに輝いたとき、15歳と300日。五輪の卓球史上最年少での表彰台だった。「メダルが偶然じゃないことを(これからの大会で)証明したい」。口ぶりには自信がにじんだ。

 ところが、五輪直後から「それまでとは打って変わって、パタリと勝てなくなりました」。

 この時期に急成長したのが、リオ五輪では控えだった同学年の平野美宇だ。

 16年秋のワールドカップは準々決勝で伊藤を退け、日本勢初優勝。17年1月の全日本選手権では史上最年少優勝を遂げ、その年の4月、アジア選手権でも中国選手を片っ端からねじ伏せ、日本勢21年ぶりの優勝を飾った。

 平野がアジアの頂点に立つ瞬間を、伊藤は観客席から見つめた。母の美乃りさんは「美宇ちゃん、強いな……」という娘のつぶやきが耳に残っている。

 平野は幼いころからのライバ…

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この記事を書いた人
吉永岳央
スポーツ部|五輪、山岳・冒険
専門・関心分野
冬季競技、アーバンスポーツ、山岳・冒険