○○ちゃんに会いたい 園児の言葉に園長は2人で泣きながら話した
三浦英之 藤井怜
約40人の園児たちを連れて岩手県大槌町の弓道場に避難した大槌保育園の園長・八木沢弓美子(59)は、3日目の昼には迎えにきた保護者にすべての園児を引き渡した。
我が子を抱きしめて泣く保護者の姿を見て、保育者としての責任を果たせたような気がした。
一方で、5日目から園児の安否確認を始めると、保護者に引き渡した9人の園児については、行方がわからなくなっていることを知らされた。
【連載初回】「二度と過ちは繰り返さない」 園児9人を失った保育園長の誓いとは
東日本大震災で、園児9人が亡くなった岩手県大槌町の旧大槌保育園。地震が起き、保護者に園児を引き渡した後、行方が分からなくなったという。「何ということをしてしまったのか」。当時の副園長は泣きながら後悔した。
「黄色い防災頭巾をかぶった子どもが運ばれてきた」と聞いて遺体安置所に向かうと、町の体育館の床に大小数百の遺体がブルーシートにくるまれて並べられていた。
「黄色い防災頭巾の子ども」を確認すると、地震後に保護者に引き渡した園児だった。傷はあったが、眠っているようにも見えた。
園児の遺体は相次いで見つか…
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