「まるで日本のハワイ」硫黄島にあった埋もれた歴史、向きあう孫世代

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編集委員・島康彦 中田絢子

 戦後80年を迎え、天皇、皇后両陛下が7日、硫黄島を訪問する。太平洋戦争の激戦地として知られるが、戦前、1千人の暮らしがあったことを知る人は少ない。地上戦での島民の動員と犠牲、今も終わらない「強制疎開」――。埋もれた歴史と向きあう孫世代がいる。

 3月29日夕、都内の大学で、島民の孫ら14人が集まった。「全国硫黄島島民3世の会」の勉強会だ。

 この日初めて参加した川崎市の小見山陽子さん(52)は、島民だった祖母が亡くなったことがきっかけで島のことを調べ始めた。今年2月には東京都の墓参事業で初めて島を訪れた。ほぼ手つかずの状態で、草が伸び放題。人が近づけない隔絶された場所に墓石が取り残されている様子を目の当たりにし、「心が苦しくなった」という。メンバーを前に「自分の子どもたちにも硫黄島のことを伝えたい」と語った。

芝居や歌舞伎の巡業、映画上映も楽しみの一つだった

 「3世の会」は元島民の親睦…

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この記事を書いた人
島康彦
社会部|編集委員
専門・関心分野
皇室、こどもの問題、格闘技(プロレス)、演芸(落語、浪曲)
中田絢子
東京社会部|宮内庁担当キャップ
専門・関心分野
皇室、憲法、平和、政治、運輸
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