デジタル化が切り開く漁業新時代 メジカ漁場・赤潮発生、AI予測へ

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羽賀和紀
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 担い手不足や漁獲高の低迷にあえぐ漁業を支えようと、高知県がデジタルの技術による取り組みを強化している。

 「40年メジカ漁をしてきたけど、あんなことは初めてだった」

 土佐清水市で漁業を営む中島進さん(56)は困惑の表情を浮かべた。

「海が全部変わってしまった」

 高知県が水揚げ日本一を誇るメジカ(マルソウダ)は、足摺岬沖が好漁場の一つ。メジカはそばダシのコクを出すために欠かせない宗田節の原料だ。

 中島さんが会長を務める下ノ加江船主会の漁師らは、毎年1~6月のシーズンにはメジカを狙って海に繰り出している。

 しかし、2024年のシーズンは、これまで漁場とみられていなかったエリアでの水揚げが続いた。遠洋カツオ船が、帰港途中に足摺岬よりはるか東方の海域でメジカの群れに遭遇したこともあった。

 「海水温の上昇や黒潮の大蛇行で海が全部変わってしまった。潮が読めなくなってメジカの漁場がわからず、見通しが立たなくなった」

AIで漁場を予測

 海況の変化だけではない…

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この記事を書いた人
羽賀和紀
水戸総局
専門・関心分野
地方自治・人口問題/海洋文化