ニセコの逆襲 カレーライス物価を見よ 高すぎ情報が「一人歩き」

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長谷川潤
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 ラーメン2千円。おにぎり1千円……。「ニセコは物価が高すぎる」。そんな評判を払拭(ふっしょく)しようと、北海道ニセコ町は、カレーライスを作るのに必要な費用「カレーライス物価」のニセコ版を試算した。全国平均を54円下回っていた。

 ニセコ町商工観光課は「高額な事例が一人歩きしている」と言う。ニセコエリアは主に、ニセコ町、倶知安町、蘭越町にまたがる。冬には海外からのスキー客でにぎわう。

 円安と外国人観光客の増加を背景にした物価の高騰に注目する記事や番組も少なくない。だが、住民は「地域の生活実態とかけ離れている」と困惑しているという。

 確かに飲食代、宿泊費が高い店や宿泊施設もあるが、地区や時期が限定されると町は主張する。大半の地域では、年間を通して全国の地方と変わらぬ物価水準で暮らしているという。

 実害も出始めた。町内のペン…

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    筒井一伸
    (鳥取大学地域学部地域創造コース教授)
    2025年4月14日11時9分 投稿
    【視点】

    「ニセコ町での住民の暮らしは,全国の地方と変わらない」。ある意味,大切な情報発信であるし,全国紙である朝日新聞でこのことが記事になること自体に意味がある。地域で生活することは,食費だけではなく様々な「工夫」の積み重ねである。ニセコ町の地域住

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