虐殺から80年 セネガルがフランスに求めるもの

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Elian Peltier, Saikou Jammeh/The New York Times 抄訳=城俊雄/朝日新聞GLOBE編集部
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80 Years After Killings, Senegal Wants the Facts From France

 2024年11月下旬のある日の午後、セネガルの中高生たちが静かに耳を傾けていた。ほとんどの生徒がすでに知っている話を、歴史の先生が語っていた。

 1944年、第2次世界大戦従軍後にフランスから帰還した西アフリカの兵士たちを、フランス植民地軍が虐殺した、とアミナタ・ジェディウ先生は話した。

 チャロイ(セネガルの首都ダカール郊外)にある彼らの学校は、虐殺現場の近くに位置している。

 フランスはなぜ彼らを虐殺したのか、と生徒の一人が質問した。別の生徒は、どのように殺されたんだろうか、と思いを巡らした。「もっと知りたい」と、エイミー・サルさん(16)が発言した。

 それは、セネガル中の人々の願いでもある。

 「チャロイの虐殺[the Thiaroye Massacre]」として知られる事件から80年を迎えるのに先立って、セネガル政府はフランスに対し、アフリカにおけるフランスの植民地支配の中で最も忌まわしい出来事の一つであるこの事件について、真実を完全に明らかにするよう圧力をかけている。

軍人墓地には35人が葬られたことになっていますが、墓は空っぽなのでは、という疑念の声も。実際には死者数は400人近かった、と歴史家は指摘しています。セネガルの現政権は、80年前の虐殺を不問に付すつもりはない、とNYTは報じます。

 セネガル政府はそれを不問に…

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