「これはあかん」ゴジラの権利を異例の買い戻し 東宝が描く海外戦略

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井東礁 岩沢志気
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 「これはあかん。どうにかならんのか」

 2015年、東宝の海外担当役員をしていた松岡宏泰(58、現社長)はある日、社外で会議を終えたあとに駐車場で、当時社長だった島谷能成(73、現会長)からそう切り出された。

 前年に公開されたハリウッド版の映画「GODZILLA ゴジラ」は、世界での興行収入が500億円を超える大ヒットに。日本で配給を手がけた東宝も潤った。だが、興行収入の大きさに対して世界でのグッズなどの売り上げが少ないことに、島谷は衝撃を受けたのだ。

 理由は、世界でグッズを開発・販売するための「商品化権」を10年ごろに売却していたからだった。相手は、ハリウッド版ゴジラを製作した米映画会社レジェンダリー・ピクチャーズだ。

 「商品化権を取り戻せないの…

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この記事を書いた人
岩沢志気
経済部|消費・流通担当キャップ
専門・関心分野
食、エンタメ、流通、エネルギー