「早く終わって」電車で願った10歳の夏 警官は性被害を話し始めた

有料記事

原野百々恵
[PR]

 学校の生徒・児童や地域の人たちへ長年、防犯講話を続けている50代の男性警察官がいる。「性別に関係なく痴漢をされることはあります」。そう語りかける原点は、幼少期に自身が経験した痴漢被害にある。

 小学4年生だった10歳の夏。親戚の家に行くため1人で電車に乗った。

 混雑した車内。大人たちの背中を見上げるように、ドア付近に立った。

 1駅を過ぎたころ、お尻を誰かに触られている違和感があった。

 最初は、女の子と勘違いされているのだと思った。

 だがその手が前に伸び、男性…

この記事は有料記事です。残り894文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
原野百々恵
神戸総局|兵庫県警担当
専門・関心分野
事件・事故、性暴力、虐待、人種差別、宗教
  • commentatorHeader
    藤田直哉
    (批評家・日本映画大学准教授)
    2025年2月6日7時0分 投稿
    【解説】

    戦時性暴力とその後の語りの研究などを読んでいると、「レイプ・スクリプト」や「語りの正統性」という概念が出てきます。実際に起こった事実とはまた別個に、どのような被害をどのように語るのかについて、社会がどうそれを受け止めるのかが、語りの内容や表

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    濵田真里
    (Stand by Women代表)
    2025年2月6日7時0分 投稿
    【視点】

    愛知県鉄道警察隊がまとめた「痴漢・盗撮撃退ハンドブック」によると、痴漢の現場で第三者からの声かけがあった場合、100%が犯行を断念したということが書かれています。第三者の声がけが非常に効果的ということがここからわかります。 記事の中で、痴

    …続きを読む