幻と消えたパリのパラ出場 車いすのウクライナ軍人が託す思い

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河崎優子
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 パリ・パラリンピック開幕まで、20日であと100日となった。ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナからは、約150人の出場を見込む。兵士として前線で負傷しパラスポーツを始め、出場権を獲得しつつも、参加が幻となったビクトル・レフコドゥフさん(31)は「ウクライナは不屈だと示して欲しい」と自国の選手団に思いを託す。

 2014年8月、空挺(くうてい)部隊の兵士としてウクライナ東部のドンバス地方にいた。ロシアが南部クリミア半島を一方的に併合した後、東部ドンバス地方にも侵攻した頃のことだ。親ロシア派武装勢力に占拠された東部のドネツク州の集落を奪還しようと進軍した際、迫撃砲が10メートル先に着弾。骨折ややけどを負い、病院に運ばれた。

 皮膚の移植手術や、迫撃砲の破片を取り除く手術をしたが、脊髄(せきずい)を損傷し、車いすでの生活が始まった。「落ち込むこともあったけど、1年後には歩けなくなった現実を受け入れた」

現役軍人で初のパラリンピック切符

 転機は5年後の19年だった…

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この記事を書いた人
河崎優子
サンパウロ支局長|中南米担当
専門・関心分野
中南米の全分野、ジェンダー、環境、スポーツ