市場揺るがすトランプ相互関税 今後は「米国の景気やインフレ次第」
世界の金融市場がトランプ米大統領の言動に翻弄(ほんろう)され続けている。今度はSNSで「相互関税」の一部を90日間停止すると表明し、10日の東京株式市場では日経平均株価が一時2800円を超える上昇となっている。現状や今後の展開をどうみるか。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストに聞いた。
――株価の乱高下が続き、10日の日経平均株価は一時3000円近く上昇しました。史上2番目の上げ幅になる水準です。
「要因は、トランプ氏が『相互関税』の一部を90日間停止すると表明したこと以外にありません。それまで悲観一色だった株式市場で、一気に悲観が遠のきました。関税による世界経済の縮小、米国の景気後退、企業業績への悪影響といった懸念が一気に和らぎました」
――トランプ氏の思惑をどうみますか。
「先週発表した相互関税の税率自体が不適切だったということかもしれません。関税率の計算を間違えているなど、いろいろ指摘されています。しかし、それを認めるわけにはいかず、今回のようにいったん『休み』を入れて、各国と交渉していくのではないでしょうか」
――市場の混乱も、トランプ氏が打ち出す政策に影響を与えているのでしょうか。
「その可能性はあると思います。今回の株価の下落は、トランプ政権としても想定以上だったかもしれません。ただ、トランプ氏に直接聞いたところで本音は語らないでしょうから、真意はわかりませんが」
――今後も市場はトランプ氏に翻弄され続けるのでしょうか。
「それは分かりません。今後…
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