ドレミは赤黄緑…色で覚えた難曲 自閉症の10歳、ピアニストめざす

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小若理恵
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 グランドピアノに向かう大阪市の小学5年、石本ゆりさん(10)が「はっ」と大きく息を吸った。

 その瞬間、曲のテンポが速くなり、小さな両手が鍵盤を右へ左へ滑るように動く。

 「こっちとこっち、どう違う?」

 隣に座る指導者のピアニスト、森本美帆さん(37)がグランドピアノを弾いてみせて、ゆりさんに問いかけた。

 ゆりさんが、森本さんの目をまっすぐに見て、答える。

 「色が違う」

色音符で数十曲を覚える

 楽譜は読めない。ドは赤、レは黄、ミは緑……。音符に色を塗り、色彩で曲を覚える。

 4月のリサイタルに向けて練習に励むベートーベンの「ピアノソナタ第5番ハ短調Op.10-1」やリストの「小人の踊り」など数十曲に及ぶ難曲はすべて頭に入っている。

 明るく軽快な音は「キラキラ…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年4月3日14時2分 投稿
    【視点】

    自閉症の子どもたちがそうではない子どもたちと違う道筋で成長することが理解されていないと感じる。(自閉症の子どもと接した経験がない先生や支援者が少なくないなかで、)教育や福祉の現場でもそういうことがあるのではないかと思う。自閉症のことを理解さ

    …続きを読む