第5回光と音が彩る庁舎の足元、食料配布に700人 「一度落ちると…」
上田学 宮野拓也
ゴジラ、浮世絵、海の生き物たち――。日が暮れると、都庁の第一本庁舎には連日5回、カラフルな映像が映し出される。都が、関連予算を含めて2年間で約48億円を投じるプロジェクションマッピングだ。2月に始まり、これまでに10作品が上映された。
華やかな光と音で彩られる庁舎の足元では、毎週土曜日、認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が行う食料品配布に多くの人が列をなす。6月上旬、700人以上が並ぶ列にいた男性(45)は「そんなの自分には関係ない」とつぶやいた。
介護系の仕事をしていた男性は2年前の夏、うつ病が再発し、退職した。外に出られない状態が続いたが、親とは音信不通で、頼れる人はいない。ようやく体調が上向いてきた1年半ほど前から、都内各地の食料品配布に並ぶようになった。
トマトを手に「ありがたい」
20代のころは製造業の派遣…