「ずば抜けたものがない」アスリート 伸びしろ生んだ「学び」の流儀
藤木健
学ぶことで、強くなる。
花車優(22=キッコーマン)というスイマーには、そんな表現がよく似合う。
6月にブダペストであった競泳の世界選手権。初出場ながら、男子200メートル平泳ぎで銀メダルに輝いた。
スポーツPlus
スポーツPlusはオリジナル記事を有料会員の方にメールで先行配信するニュースレターです。今回は9月20日配信分をWEB版でお届けします。
慣れない環境に戸惑ったか、他の初出場選手たちは本来の力をなかなか発揮できなかった。そんな中にあって、花車だけは違った。
際立ったのは、異国で伸び伸びと振る舞う姿だ。
レース前の招集所。いつの間にか海外勢の知り合いをつくり、言葉を交わしながら緊張をほぐしていた。リラックスできる「場」をたちまち作り上げてしまう姿に、指導する平井伯昌コーチもうなった。
「コミュニケーション能力が高く、賢い」
5月、スペインで高地合宿をした時も、同じ施設で練習していたポルトガルのパラ水泳選手、リトアニアの競泳陣に次々と話しかけていた。花車を囲む人の輪は、日に日に大きくなっていったという。
花車が言う。
「知らないことを知ることが…