80年前のおやつの時間は?「うどんかりんとう」で広がる優しい幸せ

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大蔦幸 撮影・佐藤慈子
【動画】80年前の紙面に載ってたおやつレシピ。作って食べてみた=佐藤慈子撮影
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 朝日新聞は、戦況が激しくなっていく1943~44年の紙面で戦時下レシピを紹介しています。今回は「戦時下おやつ」を再現しました。贅沢(ぜいたく)は敵と言われた時代。限られた食材でいかに喜んで食べてもらえるか。創意工夫をこらした当時の人々の生活に思いをはせてみませんか。

新聞の片隅に載ったレシピ

 おやつ、と聞くと誰もが心躍るもの。別腹、と言われるほどだから、ご飯とはまた違った楽しみ方があるのだろう。

 それは、戦時下でも同じだったと思う。

 1943年10月30日付の「さつま團子(だんご)」は、「お料理」という小さなコーナーに載っていた。

 作り方は、サツマイモを皮ごとするという斬新さ。硬くて、力がいる。てこずりながら、15分ほどですり下ろした。水っぽさがあり、団子になるか疑わしかったが、小麦粉を入れてこねると、粘り気が出てきた。

 沸騰したお湯に、団子を落と…

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この記事を書いた人
佐藤慈子
大阪社会部
専門・関心分野
子ども・自然・動物・食・福祉・和文化・芸術など
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    辻田真佐憲
    (評論家・近現代史研究者)
    2025年4月26日15時9分 投稿
    【視点】

    小学校高学年のとき、担任の教師が「戦時中の食事を体験しよう」と、イナゴを調理して持ってきたことがありました。戦時中にはこうした虫まで食べていたのだと伝えたかったのでしょう。見た目が虫そのものだったので、みんな怖がっていましたが、「誰か食べて

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