第14回「電車に飛び込もうか」脱サラ社長が初の障害者保険で成功するまで
編集委員 森下香枝
障害者のための日本唯一の保険会社「ぜんち共済」(東京都千代田区)を18年前に起業した榎本重秋社長(59)の髪は今、真っ白だ。起業前から苦難の連続だった。
資金不足、1年にも及んだ金融庁と熾烈(しれつ)な折衝で疲弊し、駅のホームから電車に飛び込もうかと思い詰めたこともあった。
大学時代、テニスサークルの会長をやり、遊びまくった後、外資系のAIU保険会社(現AIG損保)に就職。夜11時まで仕事をして、それから飲みに行き、サウナに泊まって翌朝、栄養ドリンクを飲みながら出勤する「モーレツ社員」だった。
今は、知的障害や発達障害がある人、ダウン症やてんかんの患者や家族のための個人賠償(対人・対物)、がん保険、入院・死亡・弁護士費用などを扱う。なぜこのような保険会社を起業するに至ったのか。
日本唯一の障害者のための保険会社を設立した理由
榎本社長はなぜ、18年前に知的障害者らのための保険会社を設立したのか。苦難の連続だった道のりを追います。
きっかけは、AIUの社員時…
【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら