最期に「梅酒が飲みたい」 攻めと守りのサポートで願いをかなえる

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それぞれの最終楽章・「食べる」を支える(1)

歯科衛生士 丸岡三紗さん

 私は、香川県のまんのう町国民健康保険造田(そうだ)歯科診療所で、歯科衛生士をしています。診療所内だけでなく、訪問口腔(こうくう)ケアをすることもあります。今回は、木村年秀所長(歯科医)と交代で担当した患者さんのエピソードを紹介したいと思います。私たちは、患者さんご本人の意思を確認しながら、最期まで「食べるを支える」を実践しています。

 1回目に紹介するのは、三豊(みとよ)市に住む田中千惠さん(享年53)。乳がんを患っていました。ご主人(63)と義母(88)と同居していました。

 2016年1月から訪問で関わるようになりました。お目にかかったときは、乳がんの終末期で、脳にも転移していました。話はできませんでしたが、筆談でコミュニケーションをとっていました。とてもやわらかい感じの方でした。元気なころは、音楽の教員でした。

 ある日、ご主人から相談があ…

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