「違法行為の証拠撮るな」社長メール 告発つぶしの指摘 無資格X線

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編集委員・沢伸也 高島曜介
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 医療機器メーカーの営業担当者が医療機関での手術に立ち会い、資格を持たずに他社製のX線装置を操作していた問題で、このメーカーの社長が、違法行為の証拠として操作の様子を写真に撮った社員を批判し、撮影しないよう社内にメールで指示していたことがわかった。

 同社は「通報者に圧力をかける趣旨ではない」とするが、同社関係者からは「告発者つぶしだ」との指摘が出ている。

 この会社は「ニューベイシブジャパン」(東京都中央区、田中孝明社長)。関係者によると、同社内外で、営業担当者が違法にX線装置を操作しているという情報が出回り、一部の社員が是正のために現場写真を撮る動きがあった。

 田中社長のメールは昨年6月27日付で、同社内や関連の会社の営業担当社員らに出された。朝日新聞はこのメールの文面を入手した。

 「【必読】コンプライアンス違反」と題し、証拠写真の撮影について「間違った姿勢」と批判。「何のために証拠写真を撮るのか?」「それを利用して相手を脅迫、貶(おとし)める為(ため)に使うのか?」「姑息(こそく)だ」「チームワークを乱す」と記し、「強い憤りを覚えます」とした。

 メールでは「正しい姿勢はその場で注意し、即時、違反を止めさせ、コンプライアンス担当に報告すべきだ」とも記した。

取材に対しては動画を要求

 複数の同社関係者は、「社長…

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この記事を書いた人
沢伸也
編集委員|調査報道担当
専門・関心分野
埋もれている社会問題
高島曜介
東京社会部|調査報道担当
専門・関心分野
事件、外交、安全保障