89歳医師の寄付2億円ではしご車完成 車体はベンツ、ドイツ製
斎藤茂洋
千葉県野田市民からの寄付金約2億2千万円で製造していた40メートル級はしご車が完成し、市消防本部で24日、納車式があった。職員の操作訓練を経て5月12日から配備される予定。
独マギルス社製で車体はベンツ。全長約11メートル、幅約2・5メートルの約19トン。排気量7690ccで、はしごの揺れを感知するとすぐ止める防振装置を備える。海上輸送を経てやってきた。
医師根本暁さん(89)が「人命救助に役立てて」と寄付。車体は日本製とドイツ製から選べたが、カルテで独語になじみがあるうえ、ベンツ購入の経験もあり「ぜひベンツで」と純ドイツ製になった。
根本さんは、開業医として市民の命を守った父の思いを形に残したい思いもあった。納車式で「教育を与えてくれた(父への)感謝」と話した。車体には自身と父の名が刻まれている。
配備されれば、市内にある全ての高層住宅に対応できるようになる。式典で鍵を受け取った鈴木有市長は「使うことがない方がいいが、あると心強い」と話した。