夫婦別姓を選べず「結婚待機」58万人 事実婚調査で団体推計

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野口憲太
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 望む人が姓を変えずに法律婚できる「選択的夫婦別姓」が導入されれば、事実婚している約60万人が法律婚に替える――。そんな推計結果を、制度の実現をめざす一般社団法人「あすには」が発表した。代表理事の井田奈穂さんは「(制度の導入を)選挙を前にした政争の具とせず、人権問題だということを認識してほしい」と訴えている。

 調査は、法人と慶応大の阪井裕一郎准教授(家族社会学)が実施。今年3月、全国の20~50代を対象に、インターネットを通じて事実婚▽法律婚▽未婚のそれぞれ約530人(計1600人)から回答を得て分析した。

 「選択的夫婦別姓」の導入の必要性をたずねたところ、全体では、必要が40.3%、必要ないが20.3%、どちらともいえないが39.4%だった。事実婚の人では、必要が44.0%、必要ないが19.7%、どちらともいえないが36.3%だった。

 事実婚の人に対し、選択的夫婦別姓が法制化された場合、婚姻届を出して法律婚にするかたずねると、「する」と答えた人は約半数の49.1%。年代別では20代が62.3%と高く、30~50代は約42~47%だった。

 事前調査では各年代の2%ほどの人が事実婚を選んでいることから、これらの結果を合わせて選択的夫婦別姓の法制化を待つ「結婚待機人数」が58万7千人いると推計したという。

 厚生労働省で21日に開いた…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2025年4月22日8時0分 投稿
    【視点】

    これまでの自分の姓を相手の姓に変えて相手の戸籍に入らないと、税の控除や相続といった法的な権利が得られない。大半の場合は女性が姓を変えることによって男性の戸籍に入ってきた。法的特権と引き換えに女性を男性に従属させる、典型的に家父長制的な制度が

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