実用化へ最終段階のiPS治療 わずかな例で「仮免許」問われる真価
後藤一也
iPS細胞を使った細胞治療で、4月以降に大きな動きが相次いだ。大阪大による心不全治療に使う「心筋シート」の承認申請と、京都大によるパーキンソン病治療の治験結果。iPS細胞の発表から19年が経ち、実用化に向けた最終段階に入った。だが、少数例の治験結果をどう評価すればいいのか、難しさも残る。
大阪大発のベンチャー「クオリプス」は、重い心不全治療で使う心筋シートについて、再生医療製品としては、世界でも初となる製造販売承認の申請を厚生労働省に提出したと、8日に公表した。iPS細胞から心臓の筋肉の細胞をつくり、それをシート状にして心臓に貼る。心筋シートは心臓のように拍動するが、主な効果は心筋シートから分泌される物質が心臓の血管を新たにつくることだと考えられている。
これまでに医師主導治験で大…
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