内圧も受けたフジ社長らの辞任 「怖くて誰も…」日枝氏の姿なく

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滝沢文那 西田理人
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 元タレントの中居正広さんが女性との間でトラブルになり、フジテレビ幹部社員の関与が報じられるなどした問題は27日、会長と社長の進退にまで発展した。一方で、「フジの天皇」とまで呼ばれた日枝久相談役は社に残る。フジに根本的な刷新が求められるなかで、その影響力を懸念する声は絶えない。報道陣らが詰めかけた会見は長時間に及んだ。

 週刊文春などが中居さんと女性とのトラブルを巡り、フジの幹部社員が設定した食事会を契機に起きたと報道した昨年末時点では、フジ側の危機感は薄かった。

 大きく局面が変わったのは、17日の港社長らによる記者会見だった。

徐々に変わり始めた風向き

 会見は、参加者を限定し、動画撮影を認めない形式だった。港社長と側近らがこだわったというこの「クローズド」な形と、「回答を控える」を繰り返した内容が大きな批判を浴びた。

 会見後、トヨタ自動車日本生命保険など大手クライアントが次々にフジで放送していた自社CMの放送を差し止めた。番組の間に流れるCMはほとんどが、ACジャパンの公共広告に。「存亡の危機」(幹部の一人)というほどの事態に発展。局長たちが社長室に直訴するなど、社内でも「相当な突き上げがあった」とあるフジ社員は明かす。

 23日には、また事態が動く。フジの臨時取締役会が開催された。夜には、社員向けの説明会も開かれ、4時間半にわたり港社長や嘉納会長が一般の社員と対峙(たいじ)。責任を問う声が多く上がったという。フジのニュースも自ら現場から報じた。

 こうした「内圧」も受け、「…

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この記事を書いた人
滝沢文那
文化部|放送担当キャップ
専門・関心分野
放送・芸能、批評、思想、文学、演劇
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2025年1月28日4時4分 投稿
    【視点】

     1月25日11時14分に投稿したコメントプラスで私は以下の指摘をしました。 <フジテレビ問題の論点が、中居正広氏が起こしたトラブルにフジテレビ社員の関与があったか否かについての隠蔽疑惑から、この会社のガバナンスに関する問題にシフトし始め

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