26歳ゼロからやり直し メイキャッパーUDAの生き方

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長谷川陽子
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 広告やファッションショーなど、クリエーティブの最前線で活動するメイクアップアーティストのUDA(ウダ)(50)が、日本の暦を切り口にした化粧の本をつくった。自由な表現があふれる時代だからこそ「オリジナリティー(独創性)が大事」だと話す。

 UDAの仕事は幅広い。放送中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」のメインビジュアルでは、主演の吉沢亮に泥水などを使った汚しのメイクを施した。ファッションショーでは、デザイナーの描くイメージをすくい取り個性的なメイクで世界観を形づくり、舞台メイクなども手がける。

 4月末に出した初の著書『kesho:化粧』(NORMAL)の冒頭には、こう書いた。

 「僕がメイクを教わり始めた30年前、メイクは『いかにルールを破るか』でした」。今ではルールがないのは当たり前。SNSには制約のない表現があふれ、オリジナルと人まねの区別もままならない。

 「何でもありの時代だからこそ独創性が大事ですが、昔よりオリジナリティーを見つけることが難しくなっている」と話す。

 新たな表現を模索していた5年ほど前、興味を持ったのが、日本的な美意識だった。京都を訪ね、芸舞妓(げいまいこ)の髪を結う結髪師(けっぱつし)や、京友禅の工房で職人の話を聞くうち、根底には季節の移ろいを繊細にとらえる感覚があると気づいた。

 この本で提案したのは、1年を72に分けた暦「七十二候」をとり入れた化粧。たとえば「蚯蚓出(みみずいずる)」(5月10~14日ごろ)では、青い空を思わせる水色のアイラインを入れ、まぶたの上に山吹色の点を描いた。俳優や一般の女性など56人に施したメイクはまるで和菓子のよう。4年がかりで撮影し、完成させたという。

記事の後半では、キャリアを積み重ねていた26歳のころにアシスタントから出直した経験を語ります。

 UDAがメイキャッパーに関心を持ったのは高校生のころ。たまたま届いた美容専門学校のダイレクトメールがきっかけだった。

 軽い気持ちで行った体験入学

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