龍谷大平安が大勝 川口新監督は「全員が『体罰は一切やらない』と」

室田賢
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 (19日、春季京都府大会2回戦 龍谷大平安10―0洛西)

 暴力問題によって、この春に監督が交代した龍谷大平安が、初戦で大勝した。

 先発の河内慶(3年)が直球を軸に無安打に抑えると、打線も4番鏡悠斗(3年)の右越え3ランなど2本塁打を含む13安打10得点をマークして六回コールド勝ちした。

 卒業生で元プロ野球選手の川口知哉・新監督(45)は「背番号2桁の選手がしっかりできている。ちょっと層が厚くなってきたのかな」と手応えを口にした。自身の初陣についても「コーチ時代に代行として2回ほど采配をしていたので、緊張もなく普段通りできた」と振り返った。

 今年2月、春夏通算で甲子園に19回出場した原田英彦・前監督(64)が部員2人に対して頭をたたくなどの暴力が発覚し、3月で退職した。

 コーチから4月1日付で就任した川口監督は「当然プレッシャーもあります。平安高校なんでね、やっぱり勝たないといけないです」。

 川口監督は1997年夏、平安(当時)の左腕エースとして全国選手権で準優勝。その年秋のドラフト1位でオリックスへ入団した。2004年に引退した後、一般企業に勤める傍らで少年野球などで指導を始めた。

 10年からは女子プロ野球チームの京都アストドリームスのコーチなどを歴任。京都フローラ監督時にはリーグ優勝に導いた。

 「怒るだけでは難しかった。しかるところはしかるが、締めないところも当然ある。あくまで、選手がもっと向上心を持ってできるようなスタンスを求めていきたい」

 また、「僕だけじゃなくて、指導者全員が『体罰は一切やらない』ということをやっていかないといけない。しかり方には十分気をつけながら、全員で接していきたい」と語った。

 昨夏の甲子園では京都国際が初優勝した。京都出身の川口監督は「周りから見ても京都国際は一つ上という感じはする」としつつ、「やっぱりこのままでは終われない」と意気込む。

 「京都は平安というのをもう一回、見せつけたい」。新体制で臨む春を、夏への弾みにしたい。

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この記事を書いた人
室田賢
スポーツ部|高校野球担当
専門・関心分野
スポーツ、社会