藤井聡太名人「将棋は勝つことが目的」 詰み手順ではなく激辛の底歩

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北野新太 深松真司 佐藤圭司
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 藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期将棋名人戦七番勝負第2局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)が4月29、30日に東京都大田区羽田空港第1ターミナルで指され、先手の藤井名人が141手で勝利した。状況の変化に対応するフライトで飾った開幕2連勝だった。

 離陸後の3分、着陸前の8分。航空の世界では「クリティカル・イレブン・ミニッツ」と呼ばれる11分間が危機管理において最も重要な時間帯とされている。

 盤上も同じような性格を持つ。棋士が指す現代将棋において、事前研究の深さや広さを問う序盤のウェートは拡大している。勝負を決する終盤の重さは時代も棋力も問わない不変の真理である。

 羽田空港での対局前日、一局をフライトに重ねる問いをした。両者から返ってきたのは「らしい」言葉だった。

 藤井「序盤研究(離陸)と終…

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この記事を書いた人
北野新太
文化部|囲碁将棋担当
専門・関心分野
囲碁将棋
深松真司
文化部次長
専門・関心分野
地域文化