インド北部で銃撃、26人が死亡 テロ攻撃か、外国人も犠牲に
インド北部カシミール地方のパハルガム近郊で22日、武装勢力が観光客らに発砲する事件が起きた。インド政府はネパール人1人を含む26人が犠牲になったとし、「テロ攻撃」と非難した。
インド側は23日夜、武装勢力が隣国パキスタンと関係があるとみて、インダス川の水利用について取り決めた両国の協定の停止のほか、パキスタンとの国境閉鎖などの措置を発表した。
これに対し、パキスタン側は関与を否定し、「水の遮断といった行為は、戦争行為とみなされる」と主張。貿易の停止や領空の飛行禁止なども発表した。
事件は22日午後2時半ごろ起きた。現場は観光客に人気の牧草地。現地からの映像では、被害に遭った女性が泣き叫ぶ様子や武装した治安部隊が周囲を警戒する姿が確認できた。
モディ首相は被害者への哀悼の意を表明したうえで、「残虐な行為の背後にある者たちは、正義の裁きを受ける」とSNSに投稿。「テロリズムとの闘いの決意は揺るぎなく、さらに強固なものとなる」と強調した。
インドメディアによると、パキスタンを拠点にするとみられる新興の武装勢力「抵抗戦線(TRF)」が、事件を起こしたと主張。インド治安当局は、事件に関与した疑いのある2人を殺害したという。
インドとパキスタンは、事件が起きた同地方の領有権を巡り対立。インドの実効支配地域では、武装勢力による襲撃事案がたびたび発生してきた。