出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
くるま【車】
- 軸を中心に回転する輪、車輪
- 地面との摩擦を減ずるため、車台に回転する輪を付けた乗り物、又は運搬具。
- 語義2の形状を有する乗り物で、その時代において一般的なもの。
- (平安期)牛車
- 左右にある垣にあるものの枝などの、車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎてはづれたるこそ、いと口惜しけれ。(清少納言『枕草子』)
- 左右の垣にある木の枝などが、牛車の屋形などに入って来るので、急いでつかまえて折ろうとしているときに、そのまま(牛車が進んで)通り過ぎて、とらえそこなったりするのは、本当に口惜しいことだ。
- (明治期)【「俥」とも】人力車。
- 梅田の停車場を下るや否や自分は母からいいつけられた通り、すぐ俥を雇って岡田の家に馳けさせた。(夏目漱石『行人』)
- もう一つ、貧困の時代に、苦しめられたものは、病気の場合であります。手許に、いくらかの金がなくては、医者を迎えることもできない。どんなに近い処でも、医者は俥に乗って来る。その俥代を払はなければならず、そして、薬をもらいに行けば薬代は払って来なければならぬ。(小川未明『貧乏線に終始して』1934年)
- (現代)自動車。
- すると見るまに車の運転は止まってしまいました。で、群集は、この無礼な自動車を難なく押さえることができました。(小川未明『眠い町』1914年)
- 「車座」の略。