平和の俳句2024
「平和の俳句」の投句の呼び掛けは、戦後70年に本紙が始めました。戦後79年、ウクライナ、ガザをはじめ世界で戦禍が絶えることはなく、核兵器が使われる恐れもぬぐえません。こうした国際情勢の中で、平和を願う句が毎年たくさん寄せられています。広島、長崎の原爆忌、終戦の日がある8月、作家のいとうせいこうさん、俳人の夏井いつきさんの2人が選んだ入選句計30句を、毎日1句ずつ紹介していきます。
平和の俳句2024の一覧
平和の俳句とは
「平和の俳句」は、本紙が読者の皆さまから「平和」を自由な発想で詠んだ句を募集し、入選句を紙面に掲載して伝え合う〝軽やかな平和運動〟です。今年で10年目を迎えました。戦後70年の2015年1月1日から17年末まで、毎日掲載しました。この3年間の応募総数は13万1288句に及びました。毎日の連載終了後も再開を望む声をいただき、18年からは夏の特集という形で復活、継続しています。また21年3月には「平和の俳句 東日本大震災10年」も掲載しました。
「平和の俳句」誕生のきっかけは、14年の終戦の日に掲載した俳人の金子兜太さん(18年2月に死去、享年98)と、いとうせいこうさんによる対談でした。
当時、<梅雨空に「九条守れ」の女性デモ>という俳句が、さいたま市の公民館の月報に掲載を拒否された「九条俳句」問題があり、2人は戦前の新興俳句運動に対する弾圧事件に重ねました。戦争に向かう時代の空気に抗(あらが)おうと呼び掛けたのが「平和の俳句」でした(「九条俳句」問題は、市の違法性を認める判決が18年末に確定。翌19年には市教育長が作者に謝罪し、句も月報に掲載されました)。
選者は金子さん、いとうさんの2人で始まり、金子さんが体調を崩して退いた17年8月以降は、金子さんから託された俳人の黒田杏子(ももこ)さんが後を継ぎました。黒田さんは昨年3月に亡くなられ(享年84)、その思いを、黒田さん主宰の藍生(あおい)俳句会会員である夏井いつきさんに受け継いでいただきました。
選者プロフィール

<いとう・せいこう> 1961年、東京都葛飾区生まれ。早稲田大卒業後、出版社の編集を経て音楽、舞台、テレビなどマルチに活躍。88年に小説『ノーライフキング』で作家デビュー。99年、『ボタニカル・ライフ』で講談社エッセイ賞。2013年、東日本大震災をモチーフにした『想像ラジオ』で野間文芸新人賞。近著に『東北モノローグ』など。本紙で、エッセー「日日是植物」(毎月1回)連載中。

<なつい・いつき> 1957年生れ。松山市在住。俳句集団「いつき組」組長。第8回俳壇賞受賞。第72回日本放送協会放送文化賞受賞。第4回種田山頭火賞受賞。令和5年度文化庁長官表彰。松山市文化スポーツ栄誉賞。俳句甲子園の創設にも携わる。帝塚山学院大学客員教授。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」など選者。2015年より初代俳都松山大使。句集『伊月集 鶴』、『夏井いつきの「今日から一句」』(第三文明社)、『瓢簞から人生』(小学館)など等著書多数。