医師は、命を救う仕事のやりがいや、安定した高収入が期待できることから、人気の高い職業です。一方、医師になるためには、まず難関の入試に合格し、6年間学び続け、国家試験に合格するというように、越えなければならないハードルがいくつもあります。医師の国家試験合格率が高い大学について、『就職力で選ぶ大学2025』(朝日新聞出版)から紹介します。(写真=Getty Images)

合格率100%の大学は1校のみ

2024年に行われた「第118回医師国家試験」において、全体の合格率は92.4%でした。新卒に限ると95.4%です。国家試験としては非常に高い合格率ですが、もちろん、簡単に医師になれるという訳ではありません。医学部人気は非常に高く、特に学費の負担の少ない国公立大の医学部については東大や京大の他学部と同程度か、それを上回る入試難易度となるケースも少なくありません。難関の入試を突破した上で6年間学び続けた学生がようやく受験資格を得られるわけですから、相当な難関試験であることは間違いありません。

では、医師国家試験の合格率ランキングを見ていきましょう。

医師国家試験の合格率ランキング1位~5位
医師国家試験の合格率ランキング6位~10位

1位は、全大学で唯一、合格率が100%だった自治医科大です。同大は、医療に恵まれないへき地等における医療の確保を目的に、1972年に全国の都道府県が共同して設立した大学です。大きな特徴は、入学金や6年間の授業料など、計2300万円が貸与され、卒業後に9年間へき地等の指定公立病院等に勤務することで返還が免除されることです。医師として働くことへの意識が非常に高い学生が集まってくるためか、毎年100%近い合格率を出しています。

2位の国際医療福祉大は、2017年に開設された日本で最も新しい医学部です。ようやく完成年度を迎えたばかりで、24年の医師国家試験受験者は第2期生にあたります。

4位の産業医科大は自治医科大に似た制度があり、約1919万円が修学資金として貸与され、卒業後9年間産業医等の職務につけば返還が免除されます。この場合、学生側の実質負担額は6年間で約1130万円と、私大の医学部としては非常に安価な金額で学ぶことができます。

なお、ランキングは既卒生を含めた集計です。合格率100%の大学は自治医科大のみでしたが、新卒のみに限ると自治医科大に群馬大、名古屋大、東海大を加えた4校が合格率100%でした。

 

表の見方

大学通信調べ。
・所管省庁の資料から集計。
・2024年1月~3月に実施された各国家試験の合格率。

 

(文=大学通信・雫 純平)

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【写真】【ランキング】医学部に入っても、医師になるのは難しい? 医師国家試験合格率ランキング

医師国家試験の合格率ランキング1位~5位
医師国家試験の合格率ランキング1位~5位

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