ひとり暮らし女子大生のおサイフ事情 家賃4万、食費は…?

学生生活 お金のリアル(愛媛県松山市)

2023/12/20

■学生生活 お金のリアル(愛媛県松山市)

四国最大の都市である愛媛県松山市。日本最古の名湯といわれる道後温泉や、夏目漱石、正岡子規ゆかりの地ということもあり、「いで湯と城と文学のまち」といわれています。その松山市の中心部にある松山大学は、2023年に創立100周年を迎えた、中四国地区で最大規模の私立総合大学です。経済学部経済学科2年のMさんは、生まれ育った香川県を離れ、松山市内で一人暮らしをしています。お金の管理はどうしているのか、学生生活について話を聞きました。(写真=本人提供)

家賃は月4万円 大学までは自転車で

「人生に一度は一人暮らしの経験をしてもいいのでは」という両親からの勧めもあって、県外の松山大学に入学したMさん。高校時代の同級生も香川県以外の四国、中国、近畿地方などに進学した人が多かったといいます。

――松山大学のどんなところに魅力を感じて、進学を決めたのですか。

私は3人姉妹の末っ子で、2人の姉はそれぞれ香川県、岡山県の大学に進学しました。私も県外の大学に進学することに抵抗はなかったのですが、実家から車で約2時間の愛媛か高知に行くかで悩みました。悩んだ結果、四国の私立大学でもっとも有名な松山大学にしました。他の私立大学に比べて学費が安く、その分を自分がやりたいことや留学費用に回せるのではないかと思ったからです。就職実績が高いのも魅力でした。高校のときに参加した松山大学のオープンキャンパスでの印象も良く、一緒に行った両親も快く同意してくれました。

文京キャンパスの中央にある屋外ラウンジ「myu terrace」は、開放的で多くの学生が集う空間。(写真=松山大学提供)
文京キャンパスの中央にある屋外ラウンジ「myu terrace」は、開放的で多くの学生が集う空間。(写真=松山大学提供)

――住んでいるところはどのようにして見つけましたか

一人暮らしをしていた姉にいろいろ聞いて、収納スペースが多く、バス・トイレ別、洗面台が独立している物件に決めました。1Kで居室は7畳ほどと広めです。家賃は月4万円です。松山市内は家賃も安く、3.5万円くらいでもバス・トイレ別の物件が多くありました。私は移動のしやすさなどを優先しました。大学まで自転車で5〜6分で通えて便利です。

交際費は月8万円のアルバイト代で

――初めての一人暮らしはどうでしたか

家事の大変さと親のありがたみを実感しました。松山市はごみの分別が細かく、最初は大変でした。料理についてはネットで検索したレシピをアレンジしたり、お味噌汁の作り方を母から習ったりして自炊も頑張っています。近くに3軒あるスーパーのクーポンや、ポイントが倍になる日などを活用して、食費は月2万円以内に収まるようにしています

――家計の管理はどうしていますか

家賃と、月約1万円の光熱費は両親が負担してくれています。
水道代は月2500円の固定で家賃に含まれています。電気代はこまめに節電することを心掛け、できるだけ抑えるようにしています。仕送りという形ではなく、親が私のために用意してくれた口座があり、どうしても足りないときに引き出せることになっていますが、ほとんど使わず、交際費など個人的に使う費用はアルバイト代(月約8万円)でやりくりするようにしています

2016年に誕生した樋又(ひまた)キャンパスにある「アカデミック・ソーシャル・コモンズ」。夜間まで学生が使用でき、自習やミーティングなどを行う学生が集っています。(写真=松山大学提供)
2016年に誕生した樋又(ひまた)キャンパスにある「アカデミック・ソーシャル・コモンズ」。夜間まで学生が使用でき、自習やミーティングなどを行う学生が集っています。(写真=松山大学提供)

――アルバイトは何をしていますか

松山市内のホテルで、サービススタッフのアルバイトをしています。1年生の冬くらいまでは別のアルバイトと掛け持ちで働いていたのですが、ホテルのアルバイトは仲間が多くて楽しいし、時給も高くて1000円なので、今はこちらのアルバイトだけにしています。旅行や留学のためにお金を貯めたいので、今は土日も含めて週4〜5日働いています

大好きな韓国語はお金をかけずにブラッシュアップ

――留学の予定があるのですか

2024年に4カ月間、松山大学と提携している韓国の建国大学に留学します。私は小さいころからK-POPや韓国ドラマの大ファンで、建国大学は好きな俳優の出身校なんです。松山大学の派遣留学制度を利用するので、入学金や授業料を建国大学に別途払う必要はなく、留学できます。夏にこの制度の募集を知って、本当に良かったです。

――韓国語の勉強はしていますか

大学の授業で韓国語を履修しています。その他にも独学で、日常会話や検定試験のための勉強をしています。かかる費用は書籍代くらいです。毎日、大学の授業やアルバイトがあり、まとまった時間がとれないので、ちょっとした合間にも意識して勉強することを心がけています。もちろん疲れてしんどいときもありますが、ボーッとしている時間がもったいないと思うようになりました。

――友達とは何をして過ごしていますか

大学から自転車で5分くらいのところに大街道という商店街があって、大学の友達とお得なランチを探して食べに行きます。道後温泉などの観光地も自転車で行けるので便利だし、平地のため自転車でも疲れません。交通費もほとんどかからないです。大学の周囲に自転車屋さんも多く、空気を入れてもらうなどのメンテナンスも気軽にできます。

樋又キャンパスには地域の方々も利用でき、夜はお酒も提供されるレストランがあります。(写真=松山大学提供)
樋又キャンパスには地域の方々も利用でき、夜はお酒も提供されるレストランがあります。(写真=松山大学提供)

格安航空券でアジア旅行

――大学が休みのときは帰省していますか

長期休みなどを利用して年4回くらい帰省しています。松山からは高速バスを使って片道約2時間、3000円くらいで帰ることができます。実家に服や布団などを置いているので、松山に戻るときは車に荷物を載せて、両親に送ってもらうこともあります。

――長期休みのときは、帰省以外にどんな過ごし方をしていますか

新型コロナウイルスの水際対策が緩和してから、2023年になって海外旅行をするようになりました。異文化交流が楽しくて、現地の人と話すことでいろんな価値観に触れることができ、私の固定観念がいい意味で崩れることもプラスになっています。アジアが好きで韓国、香港、マカオに行きました。大学生は休みが長く、繁忙期を避けた時期に安く航空券を購入できます。私は、空港から市内行きの電車やテーマパークの入場券も当日購入ではなく、KKday(ケーケーデイ)やKlook(クルック)というアプリを活用して、少しでも安く済むよう工夫しています。最近は、エジプトなどの中東にも興味を持つようになりました。旅行のためにアルバイトの日数も増やして頑張っています。

――現在2年生ですが、3年生になる来年から就活も意識しなくてはなりませんね。

この夏にはインターンシップにも参加し、就職のことを考えるきっかけにもなりました。松山大学はキャリアセンターのサポートも充実していて、それが就職実績の良さにつながっているのだと納得しました。就職指導に限らず、授業でも先生がとても熱心で、全体的に学生に対してやさしい大学だと実感しています。これから自己分析して、自分に合った業界や職種を絞っていこうと思います。

【1カ月の主な費用】

(文=𠮷川明子)

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