藤田絢子
一つの競技に絞らず、複数のスポーツに取り組む「マルチスポーツ」が、裾野で広がっている。動きの偏りを避けてけがを予防でき、多様な価値観に触れられる利点があると言われ、複数のスポーツメーカーが子ども向け教室を開くなど注目されている。
2月、東京都豊島区の朋有小学校。体育館では小1~4年の20人が、2本の縄を使ってジャンプ技などを競う「ダブルダッチ」に挑んでいた。指導するのは、国際大会で優勝経験のある岩野弘太郎さん(30)ら3人。「お兄さんが優しく教えてくれて楽しい」。子どもたちは、笑顔で体を動かしていた。
スポーツメーカーのデサントと地域コミュニティ会社のXcountryが、2024年9月から本社のある同区内の小学校の放課後事業の時間を活用して無料で始めたマルチスポーツ教室の一場面だ。
豊島区は1人あたりの公園面積が23区で最も小さい。そこで、広い場所を必要としないアーバンスポーツに着目。2カ月ごとにパルクール、ダブルダッチ、ブレイキンを教えている。
この教室に4月に小3の娘を通…