ペットショップが消えた? ニューヨークの犬猫事情

ニューヨーク在住9年目の、久保純子さん。家族や友人との時間、街で見かけたモノ・コト、感じたことなど、日々の暮らしを通して久保さんが見つめた「いまのニューヨーク」をつづります。
犬や猫の販売が禁止されたニューヨーク州
ニューヨークからペットショップが消えた。正確に言えば、ペットフードなどのグッズ を扱っているお店はあるものの、犬や猫、ウサギを販売するお店は違法になったのだ。

兼ねてから、犬などにきちんとした医療を受けさせないなど虐待を続けているブリーダー(繁殖業者)や利益優先で、動物の身に危険が及ぶ繁殖を繰り返す「パピー・ミル(子犬工場)」と呼ばれるブリーダーが問題になっていた。
米国の動物虐待防止協会(ASPCA)が公表した報告書によると、ニューヨーク州は全米で最も多くペットショップで子犬が売られている州の一つで、そのおよそ8割が、正規のブリーダーではなく、ブローカーから子犬を買っていた。このような業者から買った動物は、虐待を受けているなどの懸念が大きいという。
それを見かねたニューヨーク州議会で動物福祉に関する法案「The Puppymill Pipeline Bill」が通過し、ニューヨーク州ホークル知事が署名したのが、2022年の12月。2年の歳月を経て、昨年の12月から法律が施行され、ニューヨーク州ではペットショップでの犬や猫、ウサギの販売が禁止されたのだ。ホークル知事は、この法律は「動物福祉の保護と、虐待を伴う大量繁殖業者の取り締まりにつながる。ニューヨーク州の犬、猫、ウサギたちは、温かい家庭と人道的な扱いを享受するに値する」との声明を発表した。

シェルターで里親を受け入れ
ニューヨークで犬や猫を購入できなくなった今、飼いたいと願う人はどこに行けば良いのか。
昨年の10月、ニューヨーク市は、「Adopt-A-Dog Month (犬の里親募集月間)」に合わせて、アニマルシェルター「Animal Care Centers of NYC」を大幅に拡張してオープンした。犬や猫が路頭に迷わないように、家庭で迎え入れることを率先して推奨している。

新装オープンしたシェルターを訪れてみると、そこは、古い車庫がさわやかな水色に塗り替えられた、光がいっぱい差し込む空間だった。事前に登録しておいたので、すぐにスタッフが案内してくれて中に入ると、ピットブルなどの中型犬や大型犬が待っていた。帰宅して娘に聞いてみると、「ピットブルは闘犬としての歴史を持つから、攻撃的だと勘違いされて、捨てられてしまうと調べたことがある」と話していた。
スタッフの方々に里親についてお話を伺った。手続きは比較的簡単で、オンラインで書類に記入して、身分などを証明し、審査が通れば、その場ですぐにでも「新しい家族」を連れて帰ることができるということだった。

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ひどいブリーザーやブローカーの話は日本でも時々耳にします。また、ペットとして飼っていても簡単に手放してしまう人も。ニューヨーク州の動物福祉に関する法律は一定のほど目になると思います。
ペットシッターになるというのはいいですね。
私もボタンインコや犬を飼ったことがありますが、お別れするあのときがいやで新たに飼うことを躊躇します。ペットシッターはお別れには立ち会わないのでいいアイディアだと思いました。
日本は集合住宅でペット飼育可能な物件が極端に少ない。ペットシッター、触れあえるイベントなどを通して共生を考える機運が高まり、不動産と社会の受け入れ態勢も変わってほしい。そして、ニューヨークのように日本でも生体販売は禁止してほしい。連載の続きを楽しみにしています。
30年以上前ですが、東京で初めて犬をブリーダーさんからビーグルの子犬を直接購入しました。その時、ブリーダーさんから受けた質問は「人間でいうと2−3歳ぐらいの子供を10年以上世話する覚悟はありますか」でした。