家全体がつながる、回遊できる間取り。窓からの光も回る、シームレスな家〈265〉

Wさん(30代)
東京都渋谷区/築13年/71.44 ㎡/総工費約1,735万円(税込み)
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「いつかは住みたい」と憧れていたマンションに住み始めたWさん。実際に住んでみたら、「間取りが使いにくい」「LDKが暗い」と感じられ、リノベーションを決意されました。Wさんがブルースタジオを知ったのは、大学の同級生がブルースタジオ設計の賃貸住宅「青豆ハウス」に住んでいたこと。遊びに行ったときに、「こんな家に住んでみたい」と思われ、その友人を介して連絡をいただきました。

今回のリノベーションの希望である、使いやすい間取りと明るいLDKを叶(かな)えるために、考えた設計のキーワードは「シームレス」(継ぎ目がない)です。家全体がつながる、回遊できる動線。そして、窓からの光が、家中に回るようなつくりにしました。
実はこのお宅は、緑豊かな中庭が見える窓がありました。窓から明るい光が入ってくるのに、2LDKだったリノベーション前は全く生かされていなかったのです。LDKは窓から遠い場所で暗かったし、二つの個室の壁が、光を遮っていていました。

そこで、LDKは窓のある明るい場所に移動。個室は寝室だけにし、LDKとの仕切りの壁とドアはガラスにし、窓から光が回るようにしました。視線が抜けて開放感があり、空間につながりが感じられます。
間取りは1LDKに変更し、家の真ん中にキッチンを配置しました。キッチンを中心に、家中を回遊でき、動線がスムーズに。例えば、こんなふうです。帰宅したら玄関で靴を脱いで、シューズインクローゼットに帽子やバッグを置いてウォークインクローゼットへ。部屋着に着替えて、寝室を抜けてLDKへ到着。帰宅後の動線がスムーズになったのはもちろん、洋服などがリビングに放置されることがなく、片づけが楽になりました。
そして、お二人がこだわったインテリアの雰囲気は、生活感がなく、ほっとくつろげること。大好きなハワイのホテルをイメージし、色は白とブルー、素材は木をメインに考えました。リビングや寝室にハワイを感じるようなアートを飾りたいと設計前から相談されたので、どこの壁に飾るかを決めて、あらかじめピクチャーレールを設置しました。

生活感がない空間にするためのポイントは、やはり収納の充実です。事前にものの置き場所、容量などを相談して、大きめのウォークインクローゼットとシューズインクローゼットを設置。中の棚やバーも造作して整理しやすいようにし、生活感のあるものが外に出ないように工夫をしました。
家全体がつながり、暮らしがスムーズに回るようなシームレスな家に。ハワイのホテルようなくつろいだ雰囲気も実現しました。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Wさんに聞く
リノベーションQ&A
Q1 リノベーションのプロセスで楽しかったことはありますか?
自分たちがなんとなく思い描いていた間取りと全く異なるプランが出てきたときは、今あるものがこのように変わるのかと驚きました。また、そのプランが立体的なスケッチに起こされ、変わっていく空間を想像するのが楽しかったです。

Q2 家の中でどんなことをしている時間がお気に入りですか?
寝室でプロジェクターを使って映画を見たり、キッチンのカウンターでご飯を食べたりしているとき。
くつろげる居場所がいくつもあるのがいいですね。
Q3 リノベーションをして、生活が変わりましたか?
物の置き場と生活空間を分けたことや、インテリアも白・ブルー・木で色味を統一したことで、生活感がなくなりました。家というよりはホテルに来たような感じがして、落ち着ける空間になりました。
構成・大橋史子
