

1992年に自主制作の"Protect Ya Neck"で大きな注目を集めたウータン・クランは、1993年に「Enter the Wu-Tang (36 Chambers)」でシーンに強烈なインパクトを残す。1997年「Wu-Tang Forever」で全米1位を獲得し、1990年代のNYのヒップホップのアイコン的存在になった。複数のラッパーが縦横無尽に入り乱れながら強烈な個性を発揮するマイクリレーと荒削りで癖になるビートが生み出す不穏かつハードコアな世界観が特徴で、グループと並行してメンバーがそれぞれ別のレーベルからソロ作品をリリース、シーンを席巻する戦略でも話題になった。1990年代以降の日本のヒップホップに多大な影響を与えたという点でも、重要なグループである。